2016年8月16日火曜日

リオデジャネイロ・オリンピック取材日記(4)…8月14日(日)

 【8月14日(日)】

朝食。男2人の朝食はこんなものでしょう
、ネットで各種記事のチェック。下記のような記事が目に入ってくる。

 「ロンドン大会の2倍に当たる約8万5000人を投入した治安対策は大きな課題だ。観戦客を狙った強盗やスリの被害は絶えず、開幕からわずか1週間で日本人が巻き込まれた事件は少なくとも9件あった。選手村で従業員が窃盗を働いたり、観光地で外国の閣僚が強盗に襲われたりと、国籍を問わず犯罪の被害に遭っている」

 リオのファベーラでは、「オリンピック開催の前月に756件の銃撃事件と、50人の犠牲者がいた」という記事もあった。昨夜、夜道を歩いて帰ってきたことを思い出した。あらためてリオデジャネイロの怖さを感じた。しかし、徒歩以外の移動手段がないので仕方ない。こんなにタクシーが拾えない地だとは思わなかった。
仮設の歩道橋とそこから見える
オリンピックパーク
とりあえず、朝は大丈夫だろうと思い、布施記者と徒歩で会場へ。健康的と言えば、健康的。パークまで片道20分以上、レスリング会場までとなると往復で間違いなく1時間近くは歩く。こんなに歩くオリンピックは初めてだ。

 会場へ入ると、ビル・メイさんのほか、USAレスリング協会のアボット記者など、知った顔に次々と遭遇。世界大会だなあ、という気持ちにさせられる。」

 7月末に現地入りした共同通信の森本記者からは、柔道の取材を通じて「冷房がききすぎているから、長袖が絶対に必要だよ」などとアドバイスを受けたが、確かに寒い。しかし、長袖が必要というほどでもない。省エネへの姿勢に変わったか。いいことです。去年のラスベガスでの世界選手権は、本当に寒すぎでした。

 私は「記者」のIDカードなので、マットサイドでの撮影はできません。でも、試合の時は1階の観客席に入って、200mmの望遠レンズで撮影。しかし、途中で「ユーは、ここはダメだ」とクレーム。カメラマンのジャケットを着ている人でなけれな、観客席では撮影できないのだという。予想されていたが…。

 記者席から撮る分にはいいらしい。ま、仕方ないか。保高カメラマンがマットサイドで撮っていて、こちらの撮影はその補助的なものであり、自分自身の写真の保存のためだから、スタッフとけんかしても仕方ない。昔の私なら、「なんで、撮っちゃダメなんだ! 観客が撮影しているのはOKで、なんで記者はダメなんだ」と、くってかかり…ませんでしたよ。
オリンピックパーク内
「すぐブチ切れる」「1大会で最低1回は係員とけんかする」とも言われていますが、根も葉もないデマ、誇大表現ですからね。きまりは守りましょう!

 試合は太田選手が初戦で前回のオリンピック王者を破り、順調に勝ち進みました。恩師の勝村さんの取材が必要と思って、日の丸が振られている場所を中心に探しましたが、いません。某テレビ局の女史(古い表現! もしかしたら差別用語かな?)が「飛行機が遅れたみたいです」と教えてくれた。

 あとで分かったことだが、前日にリオデジャネイロ入りする予定が、エンジントラブルで1日遅れたとか。不運! 2013年の世界選手権(ハンガリー)でも、吉田さん一家の飛行機が天候か何かの都合でスケジュール通りに飛ばず、ヘルシンキで1泊。試合当日の朝、あわただしくブダペスト入りしたことがありました。
 その時は1回戦から見られましたが、今回は午前セッションを見ることができませんでした。でも、太田選手が決勝に進み、しっかり応援してもらうことができました。それにしても、人生、いろんなことがありますね。

メーンプレスセンターでの食事。重量で決まり、約1500円
午前と夕方のセッションの合間に、増渕記者とともにメーンプレスセンター内にあるフードコートへ。バイキング形式、皆さん、いろんな食べ物をピックアップしてレジへ行きます。しかし、値段が書いてありません。

 貧乏人の性(さが)でしょうか、まず値段を確認したいんですよね。ここは、100万円を超えるツアーに参加する富豪相手ではなく、所詮、記者相手だから、ばか高いとかはないでしょうが…。

 増渕記者が調べてくれましたところ、種類にかかわらず、重さで値段が決まるのだそうです。同じ梨紗子いっぱいでも…、じゃなかった、サラいっぱいでも、葉っぱの野菜だけなら安いでしょうし、肉ばかりだと高いのでしょう。こういう値段設定もあるんだ。日本なら「1500円で取り放題」とかなんでしょうけど。

 私は当地での野菜不足を補うため、野菜を多めにとって約1500円。増渕記者は普通にとって、約3000円。「昼食で3000円かかってしまいました!」と悲鳴をあげていた。最初は、手探り状態で選ぶものなんだよ!

 夕方のセッションの前、勝村さんに電話。出てこられなかったが、すぐに電話があり、「今、ゲートに入りました。あと5分で着きます」とのこと。日本の携帯電話への国際通話代、すみませんでした。

 太田選手は残念ながら銀メダルでしたが、日本男子のメダル獲得の伝統は、初日にして守ることができました。しかし、1階級ごとに表彰式をやるようで、その準備のため、時間がけっこう空いてしまう。ある階級をやって、次の階級をやっている間に準備、その後に表彰式というのが普通と思っていたけど。
こんな道を夜10時、一人で帰りました!
観客席で取材の布施記者、「先に帰ります」と、早い時間に一人で宿舎に戻りました。私は最低限度の記事をアップしてからになるので、10時とかになります。この時間に1人であの山道(といっても、舗装された2車線道路で、歩道もあります。所々に街灯もあります)を歩くのか、とちょっぴり不安。

 しかも、布施記者が宿舎そのものへの鍵を持っているので、裏口から入ることはできず、ぐるっと遠回りして守衛さんのいる表玄関に回らないとなりません。15分は違います。でも、徒歩で帰るしかありません。

 布施情報によると、オリンピックパーク付近に入れるタクシーは、上タクシーに限られているので、台数が極端に少なくなっているとか。確かに、物騒な、運転手が物取りになるようなタクシーに当たってしまっては困るけど、それにしても大変です。

 でも、30分以上歩き、何とかゴールイン。明日からは、会場で使っているトランシーバーか、電話で連絡を取り、布施記者に裏口まで来てもらうことにしました。とにかくレスリング初日が終了しました。

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