2016年8月24日水曜日

リオデジャネイロ・オリンピック取材日記(11)…8月21日(日)

 【8月21日(日)】

 いよいよ最終日。疲れとともに、どこともなしに最後だという寂しさが。しかし、朝から豪雨。当方、日本から傘を持ってくるのを忘れていたので困った。まあ、この豪雨なら、傘があっても用をなさなかっただろうが。
日本人記者がいないと、記者席はガラガラ。世界的に
レスリングそのものの人気は低いことを実感

 タクシー呼べる環境ではない。日本選手が出ないこともあり、小降りになることを期待して部屋で待機。女性軍にその旨を連絡すると、「日本選手がいないし、午後からでもいいんじゃないですか?」との連絡。最終日は閉会式の関係で時間が早まっていて、午後は12時15分から。

 ま、そこまで遅くならなくとも、午前の部の開始の8時45分には間に合わない。布施記者は最初から午後を目当てに、部屋で執筆だ。女性軍2人はどうするのか。

 少しすると、やや小雨に。布施記者が傘を持っていたので、借りて近くのスーパーへ傘を探しに。しかし、売っていない。やむをえず、こちらで買ったという雨合羽を貸してもらい、強行する。運よく雨は小雨になってくれたが足場が悪く、会場に着く頃にはシューズがぐっしょり。

 予想していたので、別の靴を持ってきた。濡れた靴は古いもので、こちらで捨てて行こうと思っていたものなので、ちょうどよかった。増渕記者は「そんなに降ってましたか?」。う~ん、数百メートルの違いで、雨の量が大きく違っていたのか・・・

 試合では、97kg級で米国のカイル・スナイダーが優勝。20歳での米国史上場最年少のオリンピック王者、米国フリースタイル史上50人目のオリンピック王者と記念すべき勝利となりました。金メダルの継続は、2000年シドニー大会でいったん途切れました。しかし、優勝選手にドーピング違反が発覚し、2位だった選手が繰り上がっての優勝となりました。

マット上で裸になり、猛抗議するモンゴル・コーチ
米国は運があるのでしょうか。しかし、かつてソ連と真っ向からやり合っていて、国別対抗得点の優勝を争っていた時代には、ちょっと遠いですね。

 その前に、判定をめぐってモンゴルのセコンドがマット上で猛抗議というシーンがありました。服を脱ぎ始め、一人はパンツ1枚。一瞬、パンツも脱いで放送停止にするのでは、と思いました。

 7-6でリードしていたモンゴル選手が、最後、鬼ごっこのように逃げ回り、逃げ切ったと思ったら、コーションの1点を取られて7-7。ラストポイントで相手の勝ちになった試合です。いくらラスト30秒は勝敗を左右するコーションは下さない原則があるとはいえ、ちょっとひどすぎましたね。鬼ごっこですもん。

 これなら、私も世界チャンピオン相手に3分間を0-0で闘えるかもしれない、と思えるような鬼ごっこ。コーションは当然だと思いました。遠目には分かりませんでしたが、ミックスゾーンへ行ってみると、一人は私の知り合いのコーチでした。でも、とても声をかけるムードではなかったです。

全競技が終わり、観客もいなくなったオリンピックパーク
もう一人のコーチはきちんと報道陣に向き合ってくれたので、きのう、きょうと、日本人記者で唯一会場に来ていた共同通信の森本記者につられるように話を聞きました(ボランティアが英語に通訳してくれます)。それにしても、日本人選手がだれも出ていないのに来てくれる森本記者、貴重な存在です。

 モンゴル協会の朝青龍会長は前日に帰国したらしいですが、森本記者と「朝青龍がいたら、どんな構想とったかなあ」と話しました。

 このあと、ビル・メイさんらとともにUWWの打ち上げパーティーへ。ちょうど、ネナド・ラロビッチ会長の誕生日なのだそうです。私は、IDカードを取ってくれた元IOCメディア委員会のボブ・コンドロンさんに会いたく、行くことにしました。

 メイさんらUWWメディアのメンバーと予約したタクシーを待つけど、なかなか来ない。1時間近く、雨と風の中(雨は当たらない場所にいたけど)で待ったけど、来ない。メイさん、「私は行かない」と言って戻りました。その10分後くらいでしょうか、やっとタクシーが来てくれました。

レスリング・ハウスではカーニバルを模したダンスが披露された
2日前に行ったレスリングハウスで、保高カメラマン、増渕記者と合流。福田会長と富山理事もいました。すごい雨と風のため、途中で停電。私は記者の七つ道着のひとつのペンライトでテーブルを照らし、富山さんに対して、私の頭を照らして「明るくなっているでしょう」とふざけました。

 富山さんはゲラゲラ笑い、福田会長の頭を指して、「こっち」と、さらに笑います。会長の頭を目の前でネタにできるのは、レスリング界では富山さんと栄強化本部長くらいでしょうか(私は、言えません!)。

 そのペンライトを持ってトイレに行くと、隣に福田会長が。会長の方を照らすと(別段、明るくはならなかったと思うが…)、「いいものを持っているな」と言ってきました(たぶんペンのことだと思います。下半身は見えなかったので)。「記者の七つ道具です。最近は、決勝戦などはショーアップのためマット以外の照明は落とすことが多く、その時に机を照らしたりします」と答えました。思わぬ時に役立ちましたね~。

ブラジル・ガールと記念撮影
その福田会長、「閉会式はちゃんとできているのか?」と心配していました。保高がスマホでネットを見ようとしますが、速度が遅く、なかなか通じません。やっと通じて、「何とかやっているみたいです」とのこと。閉会式の場所は、雨は降っていなかったのかな?

 結局、コンドロンさんは来なかった。お土産は航空便で送ろう。

 帰りはメーター付きの正式なタクシー、前日の10倍の距離は乗りましたでしょうか。で、値段は昨夜とほぼ同じ70リアル。前日が、いかにぼったくりかが分かりました。

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